派遣コンパニオンの仕事内容
派遣コンパニオンは、派遣されたお店の中で何をしなければいけないのでしょうか?
ここでは、さくらキャストが新人研修時に教えている内容を公開します。
派遣コンパニオンとホステスは、そもそもの立ち位置は違いますが、業務内容には大きな違いはありませんので、水商売の仕事、ホステスの業務としてもある程度理解できると思います。
心構えとして
さくらキャストのコンパニオンは、さくらキャストを代表してお店に派遣されているとともに、その店内ではあくまでもお店のホステスの一人として勤務することになります。
二つの立場を背負っているということをしっかりと理解して、責任ある行動を心がけましょう。
長年にわたり錦でお店を守ってきた本当のプロであるママ達は「錦三丁目という街へ一歩でも足を踏み入れた瞬間から仕事は始まっている」と考えています。
コンパニオンの場合あまり多くは求めませんが、狭い街の中ではお客様とバッタリということもよくあることですから、常に誰かに見られる可能性があるという意識を持って、常識ある行動を心がけましょう。
やってはいけないこと
こういう行動は常識外れと見られます。
- 外での喫煙・歩きタバコ
- 外での飲食
- 地べたへの座り込み
喫煙は飲食店の中か、事務所ビル内の喫煙場所だけにしましょう。最近ではテイクアウトのドリンクなどを飲みながら歩くくらいは当たり前になってきていますが、錦の中では辞めてください。
出勤するまでに気を付けること
身だしなみを整える
水商売は見た目が大切です。服装、髪型、メイクをきちんと整えることで気持ちも引き締まるはずです。
持ち物を忘れずに
クラッチバッグ(ポーチ)、ハンカチ、ライター、筆記用具が必須アイテムです。忘れてお店で貸してもらうということは印象が悪くなりますので、気を付けましょう。
気持ちを切り替える
水商売には源氏名というものがあります。普段の自分とは違った、源氏名としての自分を演じ切ることこそ、ホステスの仕事の基本です。身だしなみを整えることで気持ちを切り替えて、源氏名の自分としてのスイッチを入れましょう。
お店に入る前に
お店には従業員通用口などはありません。季節によって、コートを着ていたり、マスクを着けていたりする場合は、お店に入る前に必ず外しましょう。また、飲みかけのドリンクなどを手に持ったまま入ることもダメです。これらのことは夜の仕事に限らず、普通の仕事においても常識です。
出勤してからの流れ
まずはきちんと挨拶しましょう!
仕事において挨拶は重要です。
特に初めてのお店に行った際には、あなたの第一印象を決めることになります。
特に経験が浅く不安があるという人こそ明るくきちんと挨拶すべきでしょう。
挨拶の仕方
お店に入ると誰かが応対してくれますので「さくらキャストから来ました〇〇です。今日はよろしくお願いします。」と言って挨拶します。
その時は、以下のことに注意しましょう。
- 必ず「笑顔」で、笑顔の第一印象を残せれば、以後ずっとその印象は続きます
- 既にお客様が入っている場合もあるため、大声を出す必要はありません
- ただし、何度も聞き返されるようなほどの小声ではしゃべれない子だと思われる可能性もあります
お店からの説明
お店ごとにやり方の違いというものがありますが、事前に説明や指示をしてくれるお店もあれば、特に説明のないお店もあります。
説明のない場合は、ある程度自分の判断で動き、分からないことがあればお店の人に聞くようにしましょう。
待機中に気を付けること
すぐにお客様の席に着くこともありますが、多くの場合まずは待機です。
大抵のお店は一番入口に近い辺りの席を待機席としていて、そこでホステスもコンパニオンも一緒に座ることになります。
待機中には色々と気を付けるべきことがあります。
複数の女の子が一緒にいますので、ついついおしゃべりが始まります。決してしゃべってはいけないわけではありませんが、声の大きさや話の内容には気を付けましょう。在籍のホステスの子は慣れているので普通におしゃべりしていますので、つられて一緒になって談笑ということにはならないよう気を付けましょう。
コンパニオンはそもそもお客様に営業をかける必要がありません。よって仕事中に携帯を触る必要がないため、触っているのだとしたら友だちと連絡してるのかゲームをしてるかなど、いずれにしても遊んでいることになります。在籍のホステスはこの待機中にも営業をかけていますので携帯を触っていると思いますが、つられて触るということのないようにしましょう。もし他の人がゲームをしたいたとしても自分はやらないことです。
お客様が来店したら
「いらっしゃいませ!」と立ち上がってお出迎えするお店もあれば、座ったままのお店もあります。
その辺りは周りの人に合わせて行動しましょう。
立ち上がる場合でも基本的にはその場から動きません。
入口までお出迎えに行くのはボーイや担当ホステスの仕事です。
お客様の席へ
お店の方から指示を受けたら、お客様の席へ着きますが、入ってきたばかりのお客様の席に着く時はおしぼりを準備しましょう。
ここからがコンパニオンという仕事のメインです。まずは一連の流れを覚えましょう。
着席する時は間(ま)を大切に
お客様の席に座る時は、ただ歩いていって座るのではなく一つ一つの行動に余韻を持たせることで美しい所作に見えます。
- お客様の目の前まで歩いていき立ち止まる
- 立ったままお客様の顔を見て「いらっしゃいませ」と声をかけ、お辞儀をする
- 「失礼します」と言ってから座る
細かいようですが、こういった行動ができるとできないのとでは印象が全く違います。
是非身に付けましょう。
おしぼりを渡す
まずはおしぼりを渡します。
無言で渡すのではなく「どうぞ!」と言葉を添えましょう。
おしぼりは開いて渡しますが、必ず両手で渡しましょう。
他のホステスと一緒に座る場合は誰か一人がおしぼりを渡します。また、既に接客中の席に後から座ることもありますので、そういった場合はおしぼりは不要です。
挨拶をする
「初めまして(いらっしゃいませ)〇〇と申します。」と名前を名乗りましょう。おしぼりを渡しながらでも大丈夫です。
既に接客中の席に後から座る場合は会話を遮らないようにタイミングを見て挨拶しましょう。
お客様のお酒を作る前に
大抵の場合お客様のボトルは既に用意されていて、焼酎かウィスキーなど割って飲むものがほとんどですので「水割りでよろしいですか?」と飲み方を確認しましょう。
「ロックで飲みたい」「1杯目はビールがいい」という方もたまにいます。
クラブやラウンジの場合、テーブルにはお客様のグラス、ボトル、アイス(氷)、割りものの水、灰皿などのセットがあらかじめ用意されているか、すぐにボーイさんが用意してくれるかのどちらかです。足りないものがあればすぐにボーイさんに伝えて準備してもらいましょう。
水割りの作り方
ヘルプとして働くコンパニオンにとって、一番の基本として最低限やるべき仕事がお酒を作ることです。
お客様のお酒だけではなく、同席しているホステスの分もコンパニオンが作ります。
簡単な作業ですが、慣れないともたついてしまうことがよくありますので、しっかり身に付ける必要があります。
水割りの作り方はお店によって多少の違いはありますが、基本的には次の順番を覚えましょう。
「カンカン・コンコン」と音を立てたりしないよう、できるだけ静かに入れましょう。また飲む時にお客様の鼻についてしまうような山盛りにしないように気を付けましょう。
焼酎やウイスキーなどのキープボトルは冷やされているわけではありませんので、最初の一杯目がぬるくなりがちです。そのためグラスそのものを冷やすことで、最初から冷たい水割りを飲んでいただけるようにします。かき混ぜる時は時計周りに3~4回程度を意識しましょう。
ボトルは必ず両手で、ラベルを上にして持ちます。お酒の量は好みにもよりますが、基本は「ツーフィンガー」と言って、指2本分程度です。
「ツーフィンガー」と言ってもグラスのサイズも色々ありますので、明確ではありません。そういう場合、お酒と水の割合は「3対7」くらいと覚えておきましょう。
かき混ぜる時は必ずグラスに手を添えて両手を使いましょう。
「どうぞ!」と言葉を添えて、お客様の目の前のコースターの上に両手で差し出しましょう。
団体のお客様の席など、ホステスもコンパニオンも複数座っている場合は、ボトルやアイスなどのセットが置いてある場所に一番近いところに座っている人がお酒を作るというのが暗黙のルールです。団体席に後から座った場合など、遠い場所にセットされている時にわざわざ立ち上がってお酒を作りに行くことは邪魔にもなりやすいので避けましょう。
お客様との会話について
コンパニオンはヘルプです。
お店のホステスが対応できないタイミングにお客様が退屈しないために存在していると言ってもいいでしょう。
お酒を作ることがコンパニオンの最低限の仕事ならば、会話はコンパニオンのメインの仕事です。
敬語は必須
錦に飲みに来るお客様はそれなりに立場のある方がほとんどですから、敬語は必須です。
特に年配の方の中にはそういった序列を大切にする人もいます。
下手でも構いませんので、敬語で話すことを心がけましょう。
話し上手と聞き上手
話し上手な人のほうが向いていると思う人も多いようですが、それは間違いです。
逆に話し上手な人が一人でしゃべりっぱなしでお客様を退屈させてしまうという失敗例がたくさんあります。
お客様は女の子の話を聞きに来ているわけではありませんので聞き上手に徹してお客様がついつい話してしまうという状況を作れれば、もうプロと言ってもいいでしょう。
まずはお客様に質問を投げかけながら、興味のある話題を探ってみることから始めてみましょう。
会話に困った時は
お客様との年齢差があるため、共通の話題を見つけられないこともあります。
ただそれはお客様からしても同じ気持ちです。そんな時はお客様をしっかりと見ることです。
身に付けている物を褒めてみるというのはわざとらしく感じられるかもしれませんが、自分に興味を持っているということが伝わるため、悪い気持ちはしないものです。
お酒の席ですから下ネタはどうしてもつきものですが、単に下ネタが好きな人ばかりではなく「共通の話題に困るから下ネタに走ってしまう」という場合もあります。下ネタばかりだなと感じたときは、「もしかしたら自分の話題作りが下手だからかも」という一つの目安として考えてみることも大切です。
積極的に会話に参加する
クラブやラウンジはキャバクラとは違って、マンツーマンで座ることのほうが少ないと思います。
複数のお客様と複数の女の子の場合や複数のお客様と自分一人ということもありますし、お店のママとコンパニオンの二人だけということもあります。
そんな場合に、どこまで会話に参加すればいいのかを迷ってしまうことがあります。
慣れてない人やキャバクラ経験しかない人が最初に戸惑う壁がこの部分です。
お客様にとっては誰がコンパニオンということは関係がなく、全員がお店のホステスです。
遠慮してしゃべらないようにしているとお客様のほうが気を遣って話しかけてくれたりします。
そういう気遣いをお客様のほうにさせてしまうのは接客業として失格です。
また、ママが同席している場合などは、全くしゃべれない子という烙印を押されてしまうこともあり得ます。
時間内はお店の一員ですから、積極的に会話に参加しましょう。
マンツーマンの場合はしゃべらざるを得ない環境のため、意外と話せてしまいます。複数人の環境の中で、空気を読みながらも会話に参加するということができるようになれば、仕事に慣れてきた証拠です。
接客中にやるべきこと
お客様と会話をしながらやらなければならないことがあります。
お酒を注ぎ足す
お客様のお酒が半分くらいになったら、お酒を注ぎ足すタイミングです。「お作りしてよろしいですか?」と確認を取ってからつぎ足しましょう。つぎ足す時は以下の要領を覚えましょう。
- 氷を入れる
- お酒を注ぐ(※既にお酒は入っているため、指一本分程度の「ワンフィンガー」でOK)
- 水を入れる
- かき混ぜる
- グラスの水滴を拭き取る
- お客様に差し出す
お酒を注ぎ足す時がグラスの水滴を拭きとるベストのタイミングです。ただ、お客様の飲むペースは様々ですので、その時に限らず必要なタイミングで拭き取りましょう。お客様のズボンに水滴が落ちるようなことがあってはいけません。
タバコに火をつける
ホステスの基本中の基本です。お客様がタバコを吸おうとしていると感じた時から準備し始めましょう。
- ライターの火の大きさを確認する
- お客様がタバコを咥えたら、自分の近くでライターをつける
- 火のついた状態でお客様の方へ持っていく( ※火が消えてしまわないよう手をかざしながら)
- タバコに完全に火が付いた状態が確認できたら火を消す
灰皿の交換
吸い殻が1~2本溜まったらすぐに交換です。お店によって若干の違いがありますが、基本的には以下の流れです。
- 吸い殻が溜まっている灰皿に新しい灰皿をかぶせる
- かぶせた状態でテーブルの端に寄せておく
- 新しい灰皿をお客様の前へ
多くのお店が吸い殻2本で交換です。またお店によってテーブルの端に置く所とテーブルの脇にあるワゴンなどに集める所があります。テーブルの端に寄せるというのはボーイさんに対して「下げてください」という意味です。
お客様がトイレに行く時は
お客様に付いていくお店と付いていかないお店があります。
付いていく場合はトイレの前で待ち、お客様が出てきたらおしぼりを開いて渡します。
付いていかない場合はボーイさんに合図をすれば対応してくれるということです。
おしぼりが席まで届けられる場合はトイレ前で誰も対応できないということですので、お客様が席に戻ってからおしぼりを渡しましょう。
手を拭き終わったおしぼりは、テーブルの端に寄せるか専用のワゴンに集めておきましょう。
複数の女の子が座っている場合は、誰か一人が付いていきます。お客様が複数で自分一人という場合に、お客様のうち一人だけトイレに行く場合は付いていきません。
食べ物を注文した場合
出前だったりお店で提供しているメニューだったりと、お客様が食べ物を頼むことがあります。
その際、取り皿なども一緒に準備されますので、他のホステスの分も含めて、取り分けるなどしましょう。
お客様から「食べていいよ」と言われた場合に限り、食べてもOKです。
間違っても自分からすすんで食べるようなことはしないでください。
テーブルの上は綺麗に広く
テーブルを綺麗に保つということはコンパニオンの役割です。
不要になった灰皿、おしぼり、グラスなどはすぐに所定の場所に移動させ、テーブルの上にはできるだけ物を少なくして、広く保つようにしましょう。
お客様からドリンクをいただいた時は
お店の売上につながりますので断らないようにしましょう。
何を飲めばいいのか?
グラス単品のドリンクを飲むのか、ボトルを一緒に飲むのかに分かれます。
基本的には最初の1~2杯までは単品で、以降はボトルを一緒に、という流れが理想的です。
ただ、お酒を飲めない人はボトルは飲めないため、グラス単品にしましょう。
必ず乾杯をすること
いただいたドリンクはお客様と乾杯するまで口をつけてはいけません。
乾杯する際は、お客様のグラスより自分のグラスが下になるようにしましょう。
これは水商売だけでなく、社会人として目上の人とお酒を飲む時のマナーです。
席を移動する際は
お店からの指示で他の席に移動する場合の流れは、座る時の流れの逆になります。
- 「ご馳走様でした!」と、お客様と乾杯をしてから立ち上がる
- 立ちあがったらお客様の顔を見て「ごゆっくりどうぞ!」と声をかけ、お辞儀をする
- 背を向けて移動する
乾杯をして立ち上がり様に背を向けられるのは寂しいものです。ここでも間(ま)を大切にして、余韻を残すようにしましょう。
お客様から連絡先を聞かれたら
丁重にお断りしなければなりません。
派遣コンパニオンはお客様を掴むということは禁止です。お客様に営業をかけることもありませんので、連絡先交換自体を禁止しています。その際の断り方に関してだけは、ここでは書けませんので実際に勤務する前に説明します。
お見送り
お客様が帰る際の流れです。
お会計
お客様からお会計と言われた場合は、ボーイさんに伝えるようにしましょう。
「お会計」という人もいれば「チェックして!」「締めて!」という表現を使う人もいますので、頭の片隅に置いておきましょう。
上着や荷物をお返しする
お店に入った時に上着やカバンなどを預けていることがほとんどです。
上着は着るのを手伝うようにし、カバンはお客様に渡すのではなく、自分で持ってお見送りに向かいます。
担当のホステスがいる場合は、この辺のお客様に近づく作業は自分でやるはずですので、状況を見て判断しましょう。
お見送りはどこまで?
お店としては基本的にお客様を外までお見送りすることがほとんどですが、コンパニオンにそこまでさせるお店とそうではないお店がありますので、指示に従ってください。
エレベーターまでのお見送りの場合は、扉が閉まる瞬間に少し深めにお辞儀をします。
その際、すぐに頭を上げないようにしましょう。
忘れ物をした場合や冗談で再度エレベーターの扉を開ける人もいます。
終了時間が来たら
基本的にはお店の人が声をかけてくれます。
お客様にご挨拶をして席を立ちましょう。
後はお店の人に「今日はありがとうございました!」と挨拶をして勤務終了ですが、お店はまだ営業している場合が多いため、忙しそうな場合は挨拶なしでも大丈夫です。
時間になっても声がかからない時は
忙しい場合など、お店の人が声をかける暇がなかったり、忘れてしまっている場合があります。
その際は自分で時間を見て切り上げて構いません。
その時のためにも時計はしていたほうがいいでしょう。
ただし、自分の時計で時間ピッタリでも他の人の時計とは違っていることもあり得ます。
1~2分程度は様子を見てから動くようにしてください。
自分からは言いにくいと遠慮してしまう人もいますが、お店としては延長させるつもりがないのにうっかり延長になってしまうと余分な料金がかかることになります。
そこは仕事として遠慮なく言うことこそが親切です。
派遣コンパニオンとして一番必要なこと
派遣コンパニオンとして、一番必要なものを一つだけ選ぶとしたら・・・
それは「笑顔」です。
まずそれさえあれば、ここに書かれていることが多少できなくても全く問題ではありません。
仕事ですから作り笑顔でも構いません。でも、それをずっと続けるとなると決して簡単なことではないのです。
笑顔とは、人を最も魅力的に見せるものです。あなたの容姿を何倍にも輝かせるでしょう。
まず笑顔さえあれば、この仕事はやっていけます。
それが全ての土台にあり、その上にこのマニュアルの内容が本当に活きてくるのです。
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